建築構造

木構造・鉄筋コンクリート構造-リフォーム前に把握したい建築構造-

リフォームを行う前に必ず知っておきたいことがあります。
それは住宅の建築構造です。

住宅の建築構造によって、リフォームの出来る出来ないがあったり、見積もりが大きく変化する場合があります。

そのため予め建築構造をしっておくことにより、リフォームを正しく行うことが出来ます。




建築構造とは

一言で表現すると住宅の基礎や骨組みのことです。

住宅を構成する各部は、基礎・屋根・壁・床・天井があります。
これらによって内部構造が作られています。

床・壁・天井などで住宅の表面にあらわれ、目に付く部分を「仕上げ」と言います。
その仕上げの内側に住宅を支える「躯体」があります。

そして最下部(地面に接している部分)には、住宅を支えるために、地盤に固定する役割がある「基礎」があります。

建築物の各部

躯体

住宅を支える骨格にあたる部分を躯体といいます。
躯体は、建築中にも基礎の次に組み立てられるので、目に付く機会が多いですね。

躯体が住宅そのものを形作り、外部から受ける力の働きによって、変形したり、壊れないように支える役割があります。

躯体の位置・働き・形状により、柱・梁・壁・スラブなどの部材から成り立っています。
また躯体のうち、細長い材料を組み合わせ接合したものを骨組みといいます。

仕上げ

建築物の躯体に取り付けられ、屋根・壁・床・天井など人の目がつく表面の仕上げのことをいいます。

開口部・階段

壁や屋根には、採光や通気のための窓が設置されます。
また人や物の出入りのための出入り口が作られます。

これらをまとめて開口部といいます。

さらに2階建て以上の建築物や地下階のある建築物は、上下階の連絡通路として階段が設けられます。

構造体の種類

分類は5種類

構造体は、柱・梁・スラブなど躯体に用いる材料によって分類することができます。
それを主に5種類に分けることができます。

木構造
鉄骨構造
鉄筋コンクリート構造
鉄骨鉄筋コンクリート構造
補強コンクリートブロック構造

この5種類のうち、木構造・鉄筋コンクリート構造・鉄骨構造が多く用いられています。

木構造

木造建築物とは、土台、梁、桁などの主要構造部材を木材でつくる建築物です。
通常の木構造は架構式構造ともいわれています。
細長い木材の組立てによる方法で、歴史的にその様式、構法に長く古い実績があります。

木造は木質の構造体が軽量で、重量に対して強度が強く耐震上は有利といえます。
しかし、部材の変形が大きく、剛体がえられない点など不利な点も多くあります。
そのため、建築基準法でも建物の規模に制限が設けられています。

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鉄筋コンクリート造

中小の建物に最も多く採用されている構法です。

鉄とコンクリートの性質の長所をそれぞれ活かします。
組み合わせることで耐震性、耐火性に優れた性能を発揮することができます。

よくRC造とも呼ばれますが、これは「reinforced concrete」を略したもので、「補強したコンクリート」という意味です。

鉄筋は引張り力には比較的強い反面、圧縮力に弱く、座屈(横方向にたわむこと)しやすいという弱点があります。
これに対してコンクリートは圧縮力に強く耐火性に優れています。
しかし、引張り力には弱いという欠点があります。

この二つの材質はお互いに付着する性質を持ちます。
温度に対する膨張係数が似ている為、一体化して使用することでそれぞれの長所を引き出すことができるのです。

また、コンクリートというのはアルカリ性である為、コンクリートで被われた鉄筋が錆びるのを防ぐことができます。
コンクリートにより火災発生時の火炎と高温から鉄筋を守ることもできます。

コンクリート造は型枠を組むことができれば自由な造形が可能ですから、多様な建築物が可能です。

ただし、建物の重量が多く、施工期間が長い点に難があります。

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鉄骨構造

軽量で耐震性に富むという鉄の特性があります。
その特性を生かし、建物の主要構造部を形鋼・鋼板・鋼管などの鋼材を用いて組立てる構造です。

大規模でスパン(柱と柱の距離)の大きい建物や、高層建築に採用されます。
ただし、高温に弱く、腐食やたわみ・振動が大きいという弱点があります。

構造方式による分類

構造方式は接合部における力の伝達方法によっても分類することができます。
大きく分けて3種類あり、各々の接合方式を合わせて使うこともあります。

ピン接合

回転は自由に行われますが、部材相互の相対的な移動は拘束されています。

「一体化はしないが、部材同士を留める」接合方法です。
構造的にいえば、接合部が回転し、曲げモーメントを伝えません。

接合部に曲げモーメントが発生しないことは、簡単で明快な構造設計が可能です。

例えば地震力を負担しなくて良い小梁(二次部材など)は、ピン接合にします。
他にも間柱や耐風梁など「あえて曲げモーメントを伝えたくない箇所」にはピン接合を採用します。

剛接合

部材が接合点で相互に剛に接合されています。

簡単に言うと「部材同士を一体化する接合方法」です。
「接合」という用語には「つなぎ合わせること。くっつくけること」という意味があります。

そこに「剛」という言葉が加わったのは、「一体化する」という意味があります。

半剛接合

ピンと剛の中間的拘束状態です。

まとめ

住宅の建築構造というのは、すでに住居として利用している場合には、なかなか目にする機会がありません。

しかし、我が家の構造を理解することによって、リフォームの幅を広げることができます。
この記事を機に、一度見直して確認してみるのはいかがでしょうか。