フッ素塗料は、耐用年数が非常に長い機能性塗料です。
高性能なフッ素塗料ですが、まだまだ需要と供給が少ないため価格が高めです。
今回の記事ではフッ素塗料のメリットやデメリット。
業者選びの注意点をまとめさせていただきました。
Contents
フッ素塗料のメリット
耐用年数の長さ
フッ素塗料の最大のメリットは、塗膜の寿命が長い事です。
その長さは約15~20年あります。
これは、一般的な塗料と比べると約2倍もの耐用年数を持っていることになります。
耐用年数は「問題が起きなければ、その年数のあいだは外壁を保護してくれる」
塗料の寿命と考えても良いでしょう。
フッ素塗料の耐用年数は信用性が高い
フッ素は一般的な塗料の中ではダントツの耐用年数を誇っています。
無機塗料や光触媒塗料など、耐用年数が20年を超える塗料もあります。
しかし、そこには気になる点があるんですよ。
大手メーカーが作っていない
メーカー自身が期待耐用年数を設定している
塗料ができてから20年も経っていない
このことから、少し信用性に欠ける部分は否めません。
フッ素塗料には実績があります。
15年~20年というのは大手も認めた信用性のある数値と言えます。
メンテナンス回数を減らすことができる
塗料の耐用年数が長ければ、メリットが多く生まれます。
塗装工事の回数が減らせる
足場代を節約できる
シリコン塗料の場合、耐用年数は10~15年です。
住宅を建ててから40年もたせようとした場合、塗装の回数に違いでます。
建築時の塗装
15年後
30年後
一方、フッ素塗料は
建築時の塗装
20年後の塗装
合計2回の工事で済みます。
もし寿命が30年ほどの家であれば、シリコンでもフッ素でも工事回数は2回になります。
その場合はシリコン塗装を使った方が費用を安く抑えることができます。
このように、住宅をどれだけ維持するかによって塗料は変わります。
外壁の経過を見ながら、業者とよく相談して塗料を選びましょう。
工事保証期間が長く設定されている
フッ素塗料は耐用年数が長い分、塗装後の工事保証期間も長く設定されています。
例えばシリコン塗料なら保証期間が5年だったとしましょう。
フッ素塗料であれば10年の保証期間としている業者ももあります。
ただし工事保証期間は施工する業者によって設定内容が異なります。
業者との契約前に保証期間の長さを確認しておきましょう。
フッ素塗料のデメリット
メリットが多いフッ素塗料にも、いくつかのデメリットがあります。
耐用年数が長い塗料を使いたいという理由でフッ素塗料を選ぶ場合は、デメリットも把握しておきましょう。
価格が高い
フッ素は高性能な塗料であるため、塗料の中でも価格が高くなっています。
塗料は
アクリル塗料
ウレタン塗料
シリコン塗料
ラジカル制御系塗料
フッ素塗料
無機塗料
の順にグレードが存在し、フッ素樹脂塗料はグレードが高い位置にあります。
耐用年数が20年と長いフッ素塗料は、リフォーム回数が減ることにつながります。
しかし30坪の住宅でも100万円を超えるほど施工金額が高いという点を考えると、誰でもカンタンに手を出せる塗料とは言えません。
塗膜にツヤがある
フッ素塗料は非常に強いツヤを持つ塗料です。
外壁に艶が生まれることには好みがあるでしょう。
艶が輝いた見た目が好きな方であれば問題ありませんが…。
外壁や家の雰囲気に合わずに不自然に艶が入ってしまう場合があります。
艶に関しては調整剤を入れることである程度抑えられます。
しかし、フッ素の場合はつや消し塗料がありません。
艶を消すことができてもある程度までしか抑えられないものが多いです。
フッ素塗料が持っている艶には汚れや雨を弾く効果があります。
これが外壁が汚れにくくなる効果をもたらします。
また艶も放置しても数年で消えていきます。
高耐久性が特徴のフッ素塗料です。
艶は特徴の一つとして、そのまま残しておいた方が良いのかもしれませんね。
塗膜が硬い
フッ素塗料の耐久性は非常に高いが、塗膜が他の塗料に比べて固い性質があります。
特に横に伸びる力が弱くなっています。
塗膜が硬い性質から、外壁のヒビと共に割れてしまう事があるんですよ。
特に地震や台風などで家屋が大きく揺れた際に塗膜が割れてしまうという意見があります。
このデメリットは、使用するフッ素塗料の種類を選べば避けることができます。
製品によって塗膜の柔軟性が高い高弾性タイプがあります。
そちらを選択すれば問題ありません。
再塗装に注意点がある
フッ素樹脂には親水性により汚れを弾く性質があります。
そのため、再塗装の際に注意点があります。
汚れを弾くということは、再塗装の際に塗られる塗料も弾く可能性があるんですよ。
フッ素樹脂塗料で塗装すると次回もフッ素樹脂塗料を使用しなければならない場合があります。
毎回塗装のたびにフッ素樹脂塗料を使用すると高い費用がかかってしまいますね。
耐用年数が長いため、塗替えのタイミングによっては使用を避けた方が良いと思われるかもしれません。
例えば、10年後に建て直しを予定しているような場合には耐用年数が大きく余ってしまいます。
その場合にはウレタンやシリコンなどの耐用年数が合う塗料に塗替えれば費用を抑えることができるでしょう。
フッ素塗料の業者選び
技術・知識ともに優れた「信頼できる業者」にお願いしたいことは言うまでもありませんが、信頼できる業者は必ずしも「大手業者」とは限りません。
フッ素塗料における「信頼できる業者」とは、フッ素塗料を使った施工実績が豊富であり、かつ、過去のその業者が施工した家が今でも問題なく綺麗なままの業者と言えます。
施工を依頼する業者のこれまでの実績を直接見せてもらうなどして、確実に施工してくれることを確認しておきましょう。
屋根に使用した場合は耐用年数が短くなる
屋根は外壁よりも強い紫外線を浴び続けています。
屋根は遮るものがないので、風雨にもさらされ続けます。
そのため、非常に劣化が早い箇所です。
屋根用のフッ素樹脂塗料も存在します。
しかし、外壁用のフッ素塗料に比べると耐用年数が低い傾向にあります。
例えば、同じ塗料でも外壁用なら20年持つとしても…。
屋根用だと15年ほどの耐用年数しかありません。
屋根だけ耐用年数が短いとき問題になる場合があります。
それは、家全体をフッ素塗料で塗装したときに、屋根の耐用年数だけ先に来てしまうということです。
家全体の塗装は、外壁と屋根を同時に行った方が足場代や人件費も節約できます。
しかし、外壁と屋根の耐用年数が違ってしまうと…。
屋根だけ先に塗装をし直さなければならず、塗り直しの度に諸費用が発生してしまいます。
そのため、家全体を同時に塗装してしまう場合には、塗料選びに注意しましょう。
同じフッ素塗料でも、屋根の塗料は外壁と揃えるために耐用年数が高いものを使うようにしましょう。