歩行はヒトとして生活する基本の動作となります。
しかし、加齢や疾病などで身体状況が変化することにより歩行に障害がでるようになる可能性があります。
今回の記事では、歩行の変化の詳細と対策を書いています。
Contents
加齢による歩みの変化
微妙なバランスで保つ直立歩行
足の裏だけで全身を支える直立歩行は、上体を重力に逆らってバランスを取っています。
この上体を引っ張り上げるための筋肉のことを「抗重力筋」と呼びます。
抗重力筋は背中側の筋肉のことを指しており、肩の僧帽筋から足先のヒラメ筋まで、身体の背面全体のこととなっています。
まだ直立できない赤ちゃんは、抗重力筋をはじめとする各部の筋力をつけることによって、歩行が可能となります。
寝返り・ずりばい・ハイハイ・歩行と徐々に身体全体を使うことで筋力強化につながっています。
そして、加齢していくにしたがって抗重力筋は弱まってきます。
このことにより、直立状態を保つことが難しくなります。
徐々に前傾になり、腰やひざが曲がった姿勢でバランスを取るようになってきます。
歩く人は医者知らず
歩行は移動手段としてだけではありません。
内臓の機能を助ける働きもしています。
歩行時の足の筋肉の動きは、心臓へ血液を送るポンプ代わりにもなっており、歩くことにより血流が良くなります。
心臓から一番遠い足先まで降りた血液を、重力に逆らって押し返すのは負担も大きくなります。
それを歩行することによって、血管の収縮運動となり血液循環を助けているのです。
さらに血液は酸素も一緒に運んでいます。
歩くことは有酸素運動ですから、体の隅々に血液を渡らせ、脳も活性化する運動にもなります。
歩くことが少なくなると末端まで血液が循環しない状態になります。
あらゆる機能が停滞するので、積極的に歩くようにしましょう。
健康な状態と高齢者の歩行の違い
健康な状態の歩行
- 着地と蹴り返しに足首を柔らかく使う
- 指の付け根にしっかりと体重をかけ、力強い蹴りだし
高齢者の歩行
- 足首が固定されたような固い歩行
- 指の付け根・つま先の力が弱いので蹴り返しが少ない
- 足が上がらず摺り足に近い状態
- 足の裏で床を捉える力が弱くなる
- 足先が十分に持ち上がらない
- 足の蹴りだしの力が弱いので、弾力のある床だと引っかかりやすい
加齢による足の変化が歩行に与える影響
衝撃を受け止める足の裏のアーチ
歩行動作で片足にかかる荷重は、体重の1.25倍の重量がかかるといわれています。
この重量を足の裏のアーチで受け止めています。
足の裏には3つのアーチがあり、半ドーム状の形状をしています。
これによって身体を支え、歩行にリズムを与えています。
足の裏のアーチは幼児から大人になっていく過程で作られていきます。
幼児の足の裏は平坦でアーチがほとんど見られません。
幼児からずっと歩くことによって、足の裏の筋肉が鍛えられて高いアーチを作ることができます。
30~40代くらいがアーチのピークとなり、加齢に従い足の裏の筋肉が低下することによりアーチが低くなってきます。
すると、ひざなどの負担が増え、摺り足に近い状態になっていきます。
リウマチによるアーチへの影響
リウマチにかかり、アーチが作れなくなってしまうと、立つことが困難になる場合があります。
対策として、リウマチでアーチが作れなくなって場合には、アーチを補う形の足底板を入れた靴を履くことで、安定した歩行を取り戻すことが可能となります。
そのため、室内でもリハビリを兼ねて靴を活用すると良いでしょう。
ただし、床材によっては滑りやすくなるので、実際に試してみて確認を行いましょう。
転倒による影響
関節が硬くなり、骨がもろくなった高齢者が転ぶとケガをする可能性が高くなります。
高齢になって骨折すると治りが遅いですし、障害が残る可能性もあります。
また、「再び転んで骨折するのでは」と思い、歩行に不安が残り、再び転んでしまいやすくなります。
この転ぶことへの恐怖感から、自身の行動を制限することにつながります。
歩行が少なくなると、筋力が衰えます。
さらには体力の低下と脳の老化を進めてしまう可能性が高くなってきます。
このように歩行が少なくなると様々な影響が発生します。
転ばない状況をつくる住まいのリフォーム
加齢による歩行の衰えは、誰しも必ずやってきます。
上記に書いた歩行の異常の項目に心当たりがあれば、リフォームをすることによって補助を行うようにしましょう。
特に効果が大きくなるリフォームの項目として以下の2点があります。
- 不安定になる場所には歩行を補助する手すりを設置
- 滑りにくく歩きやすい床材
手すりは、バリアフリーリフォームの基本となる要素です。
そして床材も変更することによって、大きな効果を感じられる要素となります。
この他にも歩行が困難になった場合に杖や車いす等の補助具を利用することによって、自立した生活が可能となります。
それぞれの身体状況によって、リフォームのやり方が変わってきます。
いざリフォームを検討することになるのであれば、専門家に相談するようにしましょう。
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