家事の中で調理は意外と重労働です。
キッチンをバリアフリー化する際には、機能性と合理性を重視し、作業の安全性が確保されるようにしましょう。
そのことに気を付けることによって、楽に調理できるようになります。
身体状況の変化と調理への影響
- 下肢機能の衰えから、長時間の立ち作業が困難になり身体に負担がかかる
- 身体機能が全般的に衰えるため、掃除などのメンテナンスが負担になる
- 手指の機能が衰え、ガスコンロのつまみや水道の蛇口など、細かい作業が難しくなる
- 視力が衰えから、設備機器の文字が読みづらくなる
- 視力の衰えと記憶力が低下から、設備機器の消し忘れやガス漏れに気づきにくくなる
- 皮膚感覚が鈍くなることから、温度の反応が衰えて火傷に気付きにくくなる
- 万一火災になった場合に、避難が遅れがちになる
以上が身体状況の変化から発生する調理への影響となります。
身体状況の衰えをカバーするキッチン設備
シンク・ワークトップ(調理台)
腰が曲がってくると身体のバランスを取るために、膝も曲がってきます。
シンクやワークトップを使用する際に、膝やつま先がシンクの下に入るようにニースペースがあると、楽な姿勢を取ることができます。
シンク・ワークトップの下に収納があると、下にスペースを設けることができませんので、スペースがある製品を選ぶようにしましょう。
このニースペースは、立った状態で作業する際にも便利ですが、座った状態や車いすを使用する場合にも有効となります。
また、ワークトップの高さにも注意しましょう。
ワークトップの高さは調理を行う人の身長によって変わってきます。
腰が曲がってきている場合は、座った状態で調理する場合などにも高さが変わってきます。
ワークトップの高さを決める際には必ず実際にシミュレーションを行い高さを決めるようにしましょう。
長時間の調理は疲れるので、座って作業できるワークトップを選ぶ
IHコンロ・ガスコンロ
IH・ガスどちらでも、一連の調理の作業の中で、もっとも危険性が高い設備となります。
そのため、設備選びには注意が必要となります。
コンロが原因となる事故として挙げられるのは、火災・やけど・不完全燃焼などがあります。
これらの事故を防ぐためにも安全面を重視した設備選びを行います。
コンロの主な安全設備
- 温度調節機能
- 空焚き防止機能
- 焦げ付き防止機能
- 天ぷら火災防止機能
- 消し忘れ防止機能
安全設備が充実したコンロを選ぶ
煙感知器やガス漏れ警報器なども設置
食洗機の設置
調理後や食事後の後片付けや非常に負担となる作業です。
家族の人数にも左右されますが、シンクで前かがみ気味にお皿を洗う姿勢を維持するのが負担になるのは容易に想像できますよね。
その負担を軽減するためにも、食洗機の設置をおすすめします。
食洗機は食器を設置するだけで、手洗いよりも綺麗に洗うことができる便利な設備です。
食洗機は卓上タイプとビルトインタイプの2種類に大きく分類されます。
- 少量の食器であれば、卓上タイプを選択
- 大量の食器であれば、ビルトインタイプを選択
キッチンを全面リフォームするのであれば、あらかじめビルトインタイプの食洗機が組み込めるようにしておけば、キッチン自体もすっきりするので調理がしやすくなります。
手すりの設置
立った状態での調理でも椅子に座っており立ち上がる時は、バランスを崩しやすくなります。
そのため、キッチンにも手すりを設置するようにしましょう。
足腰の衰え補い立ち上がるや姿勢補助を助けてくれます。
調理しているときにも手すりによって身体を支えることで、ちょっとした休憩にも使うことができますよ。