浴室

快適な入浴行為の安全対策-滑り転倒・ヒートショック・リフト入浴-

入浴行為はいつまでも自分の力で行いたいものです。

浴室での入浴は身体を清潔にするだけでなく、心身をリラックスさせる効果もあります。
これが大きな楽しみというかたも多くいることでしょう。

今回の記事では、入浴行為の注意点について解説をしていきます。

 

ヒートショック(室内温度差)

入浴時の死亡事故は寒い時期に特に多くなる傾向があります。

暖かいリビングから寒い脱衣所・浴室に移動すると、温度差により急激な血圧変化が起こります。
これが原因により、脳内出血や大動脈解離、心筋梗塞、脳梗塞などの病気が起こります。

また、トイレに関しても温度差が原因でのヒートショックも注意が必要です。

高齢者は排泄に時間がかかる傾向があります。
そのため、ヒートショックの危険性が高まることにつながっています。

ヒートショック対策

ヒートショックの対策は、室温差をなくすことです。

具体的な対策としては、各場所に暖房器具を設置することです。

具体的な設備

浴室…浴室暖房乾燥機

脱衣所…壁埋込式温風機

トイレ…暖房脱臭器

転倒事故

身体が衰えてくると、まず感じるのが足腰の衰えです。

  • 出入り口のちょっとした段差
  • 床面が濡れていて滑りやすい
  • 脱衣所での衣服の脱着の際にバランスを崩す

水廻りでの高齢者の転倒事故は、骨折や溺水につながる危険性が高くなります。

転倒事故の対策としては、滑りにくい床材を選ぶことや手すりの設置などが必要となってきます。

部屋の配置

入浴・排泄を行う浴室とトイレは、寝室やリビングなどの普段いる部屋から、隣接または近くに設置することにより移動距離を短くすることができます。

さらには、距離が近くなることによって、温度変化によるヒートショックを防ぐ効果が生まれます。

また、ワンルーム化することにより一連の行為を便利にすることができます。

部屋の配置を近くすることは、介護も行いやすくなるので、ぜひリフォームを検討していただきたい項目となっています。

快適な入浴を行うためのポイント

移動のポイント

  1. 段差の解消
  2. 手すりの設置
  3. 滑り防止床材

身体を洗うポイント

  1. シャワーチェアの使用
  2. 洗面器置台・蛇口の高さ
  3. 手すりの設置
  4. 操作性のよい水栓金具

浴槽の出入りのポイント

  1. 移乗台の設置
  2. 手すりの設置
  3. 福祉用具の設置

 浴槽で温まるポイント

  1. 滑り止め防止マットなどによる転倒防止
  2. 手すりの設置
  3. 福祉用具の使用
  4. 浴槽の選び方に注意する

 

洋風バス

浴槽が長いため、身体が不安定になりやすい。

和風バス

浴槽が深く出入りが困難

和洋折衷バス

洋風・和風の両者の長所を併せ持ったバス
適度な深さと広さがあるため、安全に浴槽に入りやすい

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浴室のバリアフリー

介助スペースを設ける

介護者が無理のない姿勢で介助できるようにスペースを確保します。

リフトによる入浴をサポート

天井走行リフトを設置し、寝室から移動できるようにします。

リフトを設置するメリット

  • 入浴する人の負担が軽減される
  • 入浴時の事故を防止できる
  • 介助者の負担が軽減される

入浴時は身体を洗ったり、浴槽をまたぐなど、複数の動作が複雑に行います。
この動作が筋力や体力の衰えた高齢者や障害のあるに方とっては、肉体的に負担になります。

それを介護リフトを設置することによって、入浴する人の動作をサポートし、負担を軽減させることができます。

入浴用固定式リフトで脱衣室から移動し入浴します。

リフト設置の注意点

リフトの設置スペース

強度の確認

駆動のための電源

水圧の確認

リフト導入前には、本人や介護にあたる人が実際に試乗し確認することが重要となります。

シャワー浴

シャワー浴は入浴の代替として、身体を清潔にする方法です。

浴槽で入浴が困難な場合や夏期にオススメとなります。

冬場の寒い時期には、必ず浴室暖房機で浴室内の室温をあげてから行うようにしてください。
ヒートショックの危険性を軽減することができます。