見積書の体裁は業者によって異なります。
しかし、おおむね統一されているものです。
インターネットなどで、価格調査のために見積書を依頼したとします。
すると、複数業者から見積書が提出されるでしょう。
その提出された見積書の見方を覚えることによって、リフォーム業者選びに迷いがなくなります。
以下の7つのポイントを押さえて、失敗のないようにしていきましょう。
Contents
1. 作成日を確認
見積もりをもらうのは1回とは限りません。
どの時点の見積もりかを確認できるよう、日にちの間違いがないか確認しましょう。
追加してほしい工事があった場合など、手直しなどで複数回もらう可能性があるでしょう。
作成日を確認し、最終的な見積書がどれなのかをきちんと確認しておかなければ、金額や工事内容の勘違いが発生してしまいます。
また、見積書に有効期限がないかも確認しておきましょう。
期限を過ぎた場合、材料などの関係から金額に変動が発生する可能性があります。
基本的には有効期限内に返答をするようにしましょう。
2. 商品名が記載されているか
商品名(メーカーと品番)が正しく記載されていますか?
希望の商品に間違いがないかをチェックしましょう。
違いがあれば、メモし現場調査など後日まとめて質問しましょう。
単価や数量とともにチェックすべきなのが、品番や商品名が明記されているかどうかです。
キッチンやトイレ等の設備は金額も大きいですから特に注意して確認してください。
メーカー名のみが記載されていることがありますが、それではグレードもわかりませんよね。
商品名はほとんど同じだがグレードの差がある、というようなケースも多々あります。
品番などの間違いがないかも確認しましょう。
そして、それを自分でも控えておくと後々の誤解を防ぐことができるのでオススメです。
3. 単価が明記されているか
単価が記載されているかをチェックしましょう。
書かれていなかったり、同じ商品なのに他社と大きく単価が違うようなら確認してみましょう。
単価は材料や設備機器の仕様や性能によって、大きく異なります。
性能にこだわりたい箇所、最低限の仕様でいい箇所など、希望と予算によって選択肢が変わります。
合計金額も大きく変わりますよね。
「単価の確認は専門家でないと難しい」
単価を調べることは決して難しくありません。
材料や機器の仕様や品番が分かれば、調べることが可能です。
まず、「定価」が設定されているものは、カタログやインターネットで調べることができます。
また、一般的な単価を確認するための資料は、書店で販売されていることもあります。
消費者向けに分かりやすく編集された書籍としてはオススメがあります。
『積算資料ポケット版 リフォーム』(発行:一般財団法人経済調査会)
見積書に部品や製品の仕様の記載がない場合は、必ず事業者に確認しましょう。
積算資料ポケット版リフォーム編 2018―設計事務所・工務店必携 特集:「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法」「住宅ストック
4. 数量が明記されているか、妥当か
数量(面積、時間など)が記載されているかチェックしましょう。
プラン図と照らし合わせて、大きすぎる面積となっていないかなど、数量が妥当かも確認してください。
見積書を見ると、単位という欄があるはずです。
ここには、いろいろな単位が記載されています。
例えばクロスであれば壁や天井の「平米数」を記載するの で「m2」と記載されていることが多いですね。
その他にも項目に合わせて、「枚」「本」人工」「個」「箇所」「セット」などと記載されているはずです。
そして、そのなかには「一式」と表示されているものもあるでしょう。
この一式表示が問題になることが多く、注意が必要です。
見積書では、基本的に一式表示を見たときにその内容を確認するようにしてください。
一式と表示してしまうとその具体的な数量が不明で、誤魔化されやすくなります。
例えば、見積書の中には「材料一式」や「屋根工事一式」と「●●一式」いう表記で、明細が書かれているとしましょう。
こんな見積りでは、どんな材料を使っているのか、何日かけて工事をしているのか、まったく分かりませんよね。
すると、工事費総額に見合わない、資材が使われる可能性があります。
提示された見積もりに金額に対して、グレードの低い材料を使って、経費を減らしたりと…。
私たち素人では分からないだろうという魂胆です。
数量を水増しする悪質な会社もあります。
そのため、一式見積りで納得せず、きちんと内容を確認し明細を出してもらいまししょう。
但し、その項目の性質上、どうしても単位と数量を示しづらいものもあります。
一式となっている項目がそれでやむを得ないものなのかを判断しなければなりません。
そもそもリフォーム工事は新築以上に複雑で難しいものです。
私は見積り書も新築以上に細かく記入されてしかるべきだと思います。
面積や施工時間は、リフォーム会社によって計算方法に違いがあります。
他社より多くても一概に悪いとは言いきれません。
疑問点は質問してみて、納得のいく説明が得られるかも判断のポイントです。
5. 諸経費は総工事費の何%か
見積り書の大項目の最後には「諸経費」というものが記入されています。
会社によって差がありますが、高い場合は何が含まれているか質問してもいいでしょう。
通常は全体の工事費の10〜15%と言われていますが、もっと高い会社もあります。
工事費全体を30%を超える場合も…。
諸経費は業者側の 営業経費や一般管理費で、これがすなわち粗利益、と考えることもできます。
営業姿勢によって差があって当然の部分ですから、これが多いから悪い業者というわけではありません。
むしろ、諸経費が「0円」だとしたら、こちらのほうを疑ってかかるべきでしょう。
材料費や工事費に大幅に上乗せされている可能性があります。
6. 合計金額をチェックして2重計上を防止
単純な足し算が間違っていることもあるので検算しておきましょう。
見積書の合計金額をチェックするうえで気を付けて見てほしいことの1つが、同じ項目の2重計上です。
たとえば、内装仕上げの欄にクロス(壁紙)の数量と単価が記載されていたとします。
そこに、別のページの木工事の欄に壁仕上げ工事という項目がありました。
どういうことかリフォーム業者に確認をとると…。
すると記載ミスを認めました。
どうもワザとやっていた印象でしたし、気づかなければ、そのまま請求するつもりだったのでしょう。
7. 見積もりに有効期限があるかをチェック
有効期限もチェックしておきましょう。
期限を過ぎると、材料費の変動などにより、金額が変わることもあります。
また、短すぎる有効期限も要注意。
「キャンペーン期間中なので、今月中なら、この金額でやります」と契約を急がせるのは、悪質な業者の可能性もあります。
リフォームは急に決められるものではありませんよね。
それを理解してくれないような会社は信頼できません。
まとめ
リフォームは普通の買い物と違い、金額の差=手数料の差ではありません。
見積もり金額の差は、使用する材料のグレードの差やサービス範囲の違い等、いろいろな要因が考えられます。
リフォーム会社を検討する際はその点も考慮して、金額では見えない部分の違いも確認するよう心がけましょう。