お湯を出すのに欠かせないのは「給湯器」です。
キッチンやお風呂など、お湯が必要な場合には必ず必要な機器になっています。
給湯器交換もリフォームに含まれています。
給湯器のリフォームは、機器の種類が多く意外と選択が難しいものです。
故障かと感じて交換した時には、
・薦められるままの商品をそのまま取り付けた
・後になってもっと使いやすいタイプがあることを知り後悔した
といった声が多く聞かれます。
今回の記事では給湯機の種類について解説していきます。
電気温水器
電気温水器は貯水タンクの中にヒーターを設置し、その熱を利用してお湯を沸かします。
電気のみでお湯をわかすため、エコキュートよりも電気代が多くかかります。
しかし、昼間電力料金の1/3~1/4に割り引かれる深夜電力を用いています。
ランニングコストはガスと同等かそれ以下に抑えることが可能
従来は日中にタンク内の湯を使い果たすと湯切れしました。
最近は昼間電力でも追い焚きが可能な機器も登場しています。
貯湯温度は80℃(大型器)程度で、タンク容量は300~550ℓと幅があります。
因みに、5~6人家族では一日の使用量は460ℓといわれています。
ガス瞬間式給湯機器
センサーによって着火する電気式自動着火方式が中心となっています。
その事により安全が高まり、屋外設置型が増えてきました。
以前は、種火によって着火する従来のタイプが主流でした。
給湯器の能力は号数で表示されています。
号数とは、水温プラス25℃の湯の毎分の出湯量を表しています。
号数が大きいほど、一度に大量にお湯を使うことができます。
例えば、水温10℃のとき、20号のガス給湯器は35℃の湯を毎分20ℓ、24号は24ℓ給湯することができます。
省エネルギー型給湯機器
給湯設備は家庭でのエネルギー消費の大きな部分を占めています。
そのため、最近では省エネルギーの効果が期待できる新しい給湯器が普及してきています。
代表的な省エネ給湯器として、エネファーム・エコウィル・エコジョーズ・エコキュートの4種類があります。
エネファーム
エネファームは発電と給湯が同時にできる家庭用燃料電池です。
都市ガスやLPガスなどから水素を取り出し、空気中の酸素と化学反応させることで発電を行います。
そのときに発生する排熱でお湯を作ることができます。
それをコージェネレーションシステム(ひとつのエネルギー源から、電気や熱など2つ以上のエネルギーを同時に取りだす仕組み)といいます。
エネファームは、エネルギーを直接電気エネルギーに変換しています。
そのため、発電効率が非常に高く、CO2の排出がありません。
しかし、初期導入コストが高いのがデメリットとなっています。
ガス代は月500円~1,000円程上昇します。
逆に電気代は月5,000円~6000円程減少と大きくなっています。
ガス代の上昇に対して、電気代の減少はは大きな効果を期待されています。
差し引きで見ると月5,000円程の節約となっているのがわかります。
エコウィル
都市ガスやLPガスを燃料とし、ガスエンジンによって発電を行います。
そのときの排熱を利用してお湯をつくることができるコージェネレーションシステムです。
エネファームより初期導入のコストが安くなっています。
しかし、ガスエンジンを駆動させるため、振動や騒音が発生するのがデメリットです。
ガス代は月1,000~2,000円程上昇します。
電気代は月4,000~5,000円程減少します。
エネファームと比べるとガス代が多くなっていますね。
エコウィルはガスを沸かすついでに発電もするものとなります。
床暖房などでお湯を多く使うような環境であれば、効果が大きくなります。
エコジョーズ
エコジョーズは高効率のガス瞬間式給湯器です。
従来は捨てていた約200℃の排気ガスの熱を二次熱交換器で回収するコンデンシング技術を用いています。
コンデンシングとは、排気ガス中の水蒸気を水に戻す(凝縮)することをです。
水蒸気が水になる際には凝縮熱(潜熱)を放出します。
その潜熱を回収することで、より効率が高まる仕組みになっています。
このことから、潜熱回収型ガス給湯器ともいわれています。
排気ガスが熱を奪われ結露が発生します。
排気ガス中の窒素酸化物が凝縮水に溶け込んで強酸性水となります。
この酸性凝縮水は中和器で中和されて排出されます。
ガス代は月1,000~1,500円程減少します。
電気代は発電機能がありませんので、変化なしです。
エコジョーズは従来型の給湯器に比べても販売価格に大きな差がありません。
あまりガスを使わないという家庭でも気軽に設置することができます。
長い年月を使うことによって、差額を十分補うことが可能となっています。
エコキュート
ヒートポンプの技術により、外気の熱を汲み上げてお湯を沸かす給湯器です。
冷媒には自然冷媒であるCO2を用いています。
原理的にはエアコンと同じですね。
ヒートポンプの特性上、寒冷地向きではありません。
設置は比較的温暖な地域に適しています。
冷凍サイクルは電気エネルギー1に対して、2以上の空気熱を利用します。
このことにより3倍以上の給湯エネルギーを得ることが出来ます。
また、電力は夜間電力を利用するため電気代のランニングコストが抑えられます。
CO2の排出もないため環境に優しい給湯器になっています。
ガス代はオール電化にする場合で基本料含め0円になります。
電気代は月1,000~5,000円程上昇します。
電気代が1,000円上昇というのは、 深夜にのみ給湯機能を使った場合です。
昼間にを給湯していれば、電気代は大きく変化します。
エコキュート導入の一番のメリットはガス代が基本料含めて0円にできる点です。
まとめ
給湯器を変えるだけでも、 毎月大きく光熱費が変わってきます。
給湯器を新しく導入する際は、今の生活スタイルを見たうえで選んで下さい。
これから新しい給湯器の導入を考えている方。
何を選ぼうか悩まれている方。
少しでもお役に立てる情報がありましたら幸いです。