キッチンなどにある水栓に付属する機器として、水中の不純物を除去する浄水器が普及しています。
その普及率は40%といわれています。
これから浄水器を導入しようとしている方。
新しく浄水器を設置しようとしている方。
どちらにしても浄水器を有効的に活用できていなければ、宝の持ち腐れになってしまうでしょう。
何のために、どんな浄水器を、どのように使うのか―
今回の記事では浄水器の必要性と種類の解説を行っていきます。
Contents
水道水の安全性
日本の水道水は、蛇口をひねるだけで簡単に利用でき、水質も非常に優れていることが知られています。
日本の水道水質は水道法によって「水質基準51項目」というものが定められており、これに適合するものであることが義務付けられています。
例えば大腸菌に関しては検出されることが許されていませんし、摂取することで発癌性が疑われる総トリハロメタンについても0.1mg/L以下となっています。
これによって、日本の水道水は飲み続けても人体には問題がなく、しかも味わいも良いものとなっています。
水道水の課題
では水道水に何の不満もないかと言えば、そうとも言えないのではないでしょうか。
まず通常の浄水処理では、すべての不純物を完全に取り除くことが難しいと言われています。
例えば水中に残ってしまった植物プランクトンが、生臭いような臭いの原因となることもしばしば。
プランクトンが発生しやすい夏などは、実際にこのような臭いを感じたこともある方が多いかもしれませんね。
(こうした問題を解決するために、近年では高度浄水処理を行っているところも増えています。)
もう一つは、塩素です。
塩素は水道水の消毒のためには欠かせないものであり、実際に蛇口時点での残留量が0.1mg/Lになるように定められています。
しかしこの塩素が、カルキ臭と呼ばれる、プールのような独特の消毒臭の原因にもなってしまうのです。
水道水中に含まれる塩素の量というのは摂取しても人体に問題のないレベルと言われていますが、その影響が気になるという人も多いようです。
また、地域やマンションなどの住宅条件によっては、原水や処理方法、配水方法などの問題から、特に臭いなどが生じやすいケースもあるようです。
浄水器の必要性
浄水器を使う上では、このような水道水の現状を踏まえて、浄水器の必要性をきちんと再検討してみることも必要です。
特に以下のような点に当てはまる場合には浄水器の設置を考えてみても良いかもしれません。
浄水器とは
中空糸膜フィルターのろ過作用や活性炭フィルターの吸着作用により、水に含まれている不純物を取り除きます。
取り除く不純物として、
赤錆やプランクトン・雑菌など
他にも塩素や農薬
発がん性があるといわれているトリハロメタン
浄水器はフィルターによって様々な不純物は取り除きます。
そのフィルターはメーカーにもよりますが、6~12ヶ月ほどで交換になります。
浄水器の選び方
浄水器は、飲料用の水をつくるため、安全性が重要となっています。
しかし、浄水器のフィルターなどは実際に目で確かめられないものですよね。
そこで、信頼できるメーカーを選ぶことが大切です。
その信頼できるメーカーなのか確認する方法があります。
浄水器協会の会員なのかをチェックします。
浄水器協会の会員は以下のリンクより確認ができます。
会員に属しているかどうかでも、浄水器選びに役立つでしょう。
浄水器の種類
浄水器には様々な種類があります。
種類によって処理能力や水量・カートリッジの交換頻度が異なってきます。
設置する際には各浄水器の種類を把握して計画を立てましょう。
蛇口直結型
蛇口直結型の浄水器は、現在販売している家庭用浄水器のうち最も普及している製品です。
価格も安く設定されています。
しかし、本体価格だけで価格が安いと判断してはいけません。
数千~2万円程度、専用のフィルターカートリッジは1~6ヶ月ごとに交換が必要になります。
カートリッジの交換頻度を含めて、製品を選ぶとよいでしょう。
蛇口直結型は安価で入手しやすく使いやすいタイプです。
浄化したお水が空気に触れやすいため、問題が発生します。
蛇口付近を常に清潔に保っておかないと、雑菌が繁殖しやすくなります。
ポット型
ポット型の浄水器はリフォームとは関係ありませんが、浄水器の種類として紹介します。
何より手軽に浄水された水を作ることができるのが浄水ポットです。
美味しくて安全な水がいつも冷臓庫に常備することができます。
ポット型の浄水器はフィルターを通して水を浄水する仕組みです。
フィルター性能は各メーカーによって除去能力がかなり違っています。
取り除ける不純物の種類もメーカーごとにかなり開きがあります。
法令に定められた13種の項目の全てを除去できるもの。
カルキと化学物質以外の不純物は取り除けないもの。
より多くの不純物を取り除けることが選ぶ際の重要なポイントになります。
フィルター性能は価格に直結している部分ですので、価格と性能をよく確認して選ぶとよいでしょう。
据え置き型(カウンタートップ)
据え置き型の浄水器は本体をキッチン(蛇口付近)に置きます。
浄水器と蛇口をホースでつなぐことで浄化を行います。
据え置き型の浄水器は、シンクですぐに使える上、浄水機能が本格的な点が高く評価されています。
本体が大きいため、フィルターの寿命が長くなっています。
そのため、カートリッジの交換期限も長くなっていることでランニングコストが抑えられています。
設置には取り付け可能な蛇口が決まっています。
基本的には工事なしで取り付けることができます。
据え置き型の浄水器は高いろ過性能だけではありません。
水のおいしさにこだわった製品が多いのも特徴です。
お米を炊くのに向いた軟水が作れるもの。
身体に良いといわれるアルカリイオン水が生成できる機能
より水をおいしくしたい人にオススメできる浄水器です。
機能が豊富な据え置き型の浄水器は、蛇口直結型やポット型と比べるとやや高額になります。
売れ筋商品の価格帯としては、3万円前後のものから、5~8万円ほどが中心。
アルカリイオン水を生成できるなど多機能な製品は、10万円を超える高額なものも登場しています。
ビルトイン型(アンダーシンク)
ビルトイン型の浄水器は、浄水のシステムは据え置き型と似ています。
異なるのは設置場所でビルトイン型では浄水器本体をシンク下に設置します。
流しの下にフィルターを置くのでシンクまわりがスッキリするメリットがあります。
水栓のデザインも好みのものに変えられるため、キッチンのデザインに合わせることができます。
またフィルターも大型にすることが可能なため、高性能なものが多くなっています。
フィルター交換も年1度程度の交換で済む点も魅力的です。
ビルトイン型のデメリットは、取り付けの際に工事が必要なケースがあることです。
取り付け工事費は本体価格とは別になります。
住宅建設などの際に予めアンダーシンク型の浄水器をシンクに組み込むことも可能です。
価格帯は性能により幅広くなっています。
2万円台のものから10万円近くするものまで様々あります。
先に述べましたが、フィルターが大きいためカートリッジ交換の手間が少ない点がメリットです。
こまめな交換が面倒な人にも向いています。
浄水機能が高いため、蛇口直結型タイプの約2倍の早さで水道水を浄化することができます。
逆浸透膜浄水器(RO膜浄水器)
ここで紹介した浄水器の中で、最も不純物の除去能力が高いタイプです。
逆浸透膜浄水器は,
これまでに紹介した浄水器の中でろ過度が一番高くなっています。
まさしく「純粋な水」を作れるのが逆浸透膜(RO)方式の浄水器です。
逆浸透膜の特徴と仕組みを詳しく見てみましょう。
浸透膜とは、生物の中にある細胞膜のようなものです。
逆浸透膜(RO)方式の浄水器では、浸透圧の原理を逆に利用します。
浸透圧を超える強い圧力をかけることで、水をろ過します。
そのため「逆浸透膜(RO)方式」と呼ばれています。
この膜には0.5~2ナノメートルと、ごくごく小さな孔が空いています。
これより大きな分子は膜を通ることができません。
現在最も小さいとされるピコルナウイルスやパルボウイルスの大きさは約20ナノメートル。
放射性要素131は約10~100ナノメートルです。
とても小さい値ですが、逆浸透膜よりもサイズが大きいため、通り抜けることができません。
逆浸透膜に傷や破れがない限り、病原菌やウイルス、放射性ヨウ素131をろ過できるものと考えてよいでしょう。
放射性物質やウイルス、有害物質などを取り除いた安全な水を飲みたい人には、特に安心な浄水器と言えます。
大型かつ高性能装置のため、設置工事費用も含めれば15~30万円と高額になります。
メンテナンスにも費用がかかるため、他のタイプに比べると普及していないのが現状です。
浄水器の交換リフォーム