食洗機

リフォームに食洗機設置のメリット~ビルトインと卓上(据え置き)の比較~

欧米では80%近くとなる食洗機の普及率。
衣類を洗濯機で洗うように食器をまとめて食洗機で洗うことが一般的です。

しかし、日本では30%程度の普及率です。
これは欧米の先進国と比較しても低い普及率となっています。

そこには、何かしら思い違いがあるのではないでしょうか。

「予洗いが必要で、面倒くさそう」
「水道代や電気代が高くなりそう」
「価格が高そう」
「設置が大変そう」

実は、食洗機は手洗いよりも家事の時間や労力を効率化することができます。
そして、節水までできるスマートなツールなのです。

手の込んだお料理を用意しました。
そこでは素敵な友人や大切な家族と、または映画や音楽を楽しみながらディナータイムを過ごします。

食後の幸福感に満たされている時に、溢れかえった洗い物をみたら、気分がすっかり沈んでしまうことでしょう。
食洗機によって、片付けに捕らわれず幸せな気持ちのままゆったりした時間を過ごしませんか。

 




食器洗い乾燥機(食洗機)とは

「食洗機」とは、食器洗い機、食器洗い乾燥機といった設備の名称を略した言葉です。
汚れた食器を自動で洗浄する機能を持つ家電製品です。

近年は家事の省力化や時短のために、食洗器を導入する家庭が増えてきています。
現在の普及率は3割ほどと言われています。

食洗器には
シンクの脇などに置く「据え置き型」
システムキッチンの一部にはめ込む「ビルトイン型」
があります。

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設置場所

ビルトイン型の定位置はシンク下。
またキッチンカウンターのキャビネット部分にも設置することができます。
設置場所に関しては食洗器の幅が影響しますので、予め仕様書の確認が必要です。

卓上型は設置場所が様々あります。
キッチンのシンク横・調理スペース・出窓などなど。

卓上型はどこにも置くスペースがない場合は、新しくラックを用意して乗せることも可能です。

しかし、給排水がしやすい、アースがとれる、周囲を汚さず食器が入れられる、などの点に注意があります。
また開閉時にドアが蛇口や棚にあたらないようにスペースも確認しましょう。

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設置方法

キッチンの蛇口(水栓)に分岐水栓金具をとりつける必要があります。
そこに食洗機に付属するホースで食洗機とつなぎます。

分岐水栓金具は食洗機とは別売品になり、自宅の蛇口形状を予め確認しておきましょう。
形に合うものが必要となります。

自宅の住宅仕様書か、蛇口に刻印されている水栓品番を確認します。

分からない場合はリフォーム業者や電気店などの機器販売業者に相談しましょう。

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食洗機で洗えないもの

高温のお湯で洗ってすすぐのが食洗機です。
水流が強く長時間高温にさらされるため、熱に弱かったり、軽いものをは食洗機に不向き、もしくは使用することができません。

また繊細な表面加工や高価な食器類は破損の危険性があるため、使用をおすすめすることはできません。

洗えないものとして
高温に弱い高級漆器や金、銀食器
カットグラス、クリスタルグラスなどの高級ガラス食器
アルミ製・銅製の調理器具
水圧でかごから飛び出してしまう恐れがある軽い食器
またフッ素加工されたフライパンなど

食洗機の水の使用量と電力使用量

食洗器でよく間違ったイメージを持たれるのが水の使用量でしょうか。
手洗いよりも長い時間をかけて洗浄するので、自然と水の使用量が多くなっているのではないかと疑問を持たれやすくなっています。

しかし、実は手洗いに比べて食洗器の方が水の使用量が少なくなっているんですよ。

手洗いの場合、一つ一つの食器を洗い→すすぎを行います。
すると、大量のすずぎ水が必要になります。

すすいでいる間は蛇口から無駄な水が流れることによって、水の使用量が増します。

その点、食洗機は少ない水をためて循環させながら使用します。
食洗器内部で噴水のように循環させてすすぐので、水量は格段に少なくて済むのです。

例えば、パナソニックの食洗機であれば7.5L~9.0L程度です。
また海外メーカーのミーレでは6.5L程度となっています。

手洗いであれば60L~80Lの水の使用量といわれているため、差は歴然ですよね。

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「ビルトイン」と「据え置き」どちらが良い?

ビルトインは価格が高く、据え置きは低くなっています。

この予算によって大きく変わるでしょう。
また設置場所によっても選択が変わります。

ご自宅の新築やリフォームの際には食洗機を考える場合はビルトイン型が第一選択になるでしょう。

施工業者と相談し、お使いのシステムキッチンに収まるタイプを導入することになります。

一方の卓上型をオススメする方は、
賃貸で工事ができない方
食洗機にコストをあまりかけたくない方

卓上型は設置に大きな工事が必要となりません。
自分自身で簡単に取り付けることが可能です。

かかる費用は本体費用+水栓金具の数千円~1万円前後となっています。
これはビルトイン型の半分以下の費用で済む場合があります。

洗浄能力や使い勝手については製品により千差万別で、どちらがいいとは一概に言えません。

卓上型の容量は家族6人用・食器45点が最大でしょう。
これ以上のサイズを希望する場合はビルトイン型を選ぶことになります。

後付けだとビルトイン型は難しいと思われがちです。
しかし、専門業者の工事によって可能になります。

専門業者が下見のうえ、設置可能なメーカー、機種から選んでいく流れになると思います。

「ビルトイン型」「卓上型」のメリット、デメリット

ビルトイン型

シンク下やキャビネットに組み込めるのでキッチンの見た目がすっきりするのが大きなメリットです。

このことにより、キッチンの作業スペースを狭めることもありません。
騒音についても、シンク内に組み込まれていることによって、卓上型に比べ静かといわれています。

デメリットとしては、やはり設置工事の手間やコストがかかることです。
そのため、故障時の修理や買い替えも比較的かさむ傾向です。

また、キッチン下の収納スペースが少なくなってしまうことでしょうか。

卓上型

気軽に導入できるのが大きなメリットでしょう。
工事が必要ないため賃貸に住まわれている方でも導入しやすいことでしょう。

また、コストも手間も比較的かからないのがメリットです。
排水とアースが確保できる置き場を用意して、分岐水栓を準備すれば買ったその日に使えます。
故障時や引っ越し時の移動、買い替えも容易です。

デメリットとしては、小型なものでもスペースを取ってしまうためキッチンが狭くなってしまうことです。

どうしても本体や排水ホースがむき出しになることが影響してインテリアにマッチしない点があります。

食洗機まとめ

衣食住の3つの中で、私たち人間が生きるために必要不可欠な「食」です。

食に纏わる環境を豊かにすることは、暮らしに彩りを与え、より豊かなものにしてくれるはずです。
家庭での食に纏わる基本的なコト。「料理をつくり、食べて、片付ける。」

このコトは、昔も、そして、テクノロジーの進化したこの先の未来においても不変のプロセスと言えるかもしれません。
家族や仲間が集い、楽しく作り、楽しく食べることによって、大きな充実感を得られます。
そして最後の片付けは食洗機を使うことによって、さらなる時間をつくることができます。

豊かな暮らしのためのひとつの手助けとして食洗機を導入してみてはいかがでしょうか。