塗料

6種類の主な外壁塗料-特徴一覧と単価・耐用年数の比較-

外壁のリフォームには主に3つの方法があります。

1.塗料による塗り替え
2.サイディングのメンテナンス
3.タイルの張り替え

外壁リフォームは、現在の外壁素材によって方法が変わっていきます。

今回の記事では、塗料の種類について解説していきます。
ひとえに塗料と言っても、様々な種類があります。

外壁に状態によってや予算によっても塗料の選択が変わるでしょう。




外壁塗装の重要性

外壁塗装は、塗料のグレードや商品により価格や耐久性が決まります。

塗料選びは重要

外壁塗装の塗料は、一度塗れば半永久的に効果を持続するものではありません。

塗料には耐用年数という名の寿命がある。

まずは、どうして塗装が必要なのか理解しましょう。
塗装の目的と耐用年数を知ることで、塗料の選択が絞られていくことでしょう。

塗装することで外壁が保護される

外壁の塗料は、幅広く塗られています。
建物の外部を覆うものからエクステリアまで…。

その外壁塗装は、ただ色をつけるために塗装するわけではありません。
もちろん美観やデザイン性に合わせて塗料を使い分ける場合もあります。

本来の目的は塗装によって「外壁材を保護」するためです。

では、なぜ保護する必要があるのでしょうか。

それは塗装によって、外的なダメージを軽減できるようにすることです。

外壁は天候などによる影響は避けられないもの。

直射日光がさんさんと直接に当たることもあります。
また、雨水を直接受けたり、風によってホコリが付着したりと…。

そのダメージから外壁を守るという重要な使命が外壁塗装にはあります。

塗料には耐用年数(寿命)がある

塗料の種類は数多くあります。
しかし、どんな塗料にも耐用年数が存在します。

いずれは保護する効果を失ってしまいます。

塗料による保護されていない状態になると、外壁が直接影響を直接受けてしまいます。

木部の腐食を早める
鉄部のサビが広がる

そうなると塗装以外の修復費用がかかってしまいます。
外壁の腐食を見過ごすと最悪の場合は下地が損傷する場合も。

そのため、塗料の寿命に合わせて外壁塗装を施す必要があります。

塗装を施すことで本来の保護効果を取り戻せるようになります。
また、別途修繕工事が発生した際の出費も避けることができますよ。

アクリル塗料

耐用年数 5~7年
単価(平米単価相場) 1,000~1,200円

アクリル塗料は、外壁塗装をする際に使われる一番グレードの低い塗料です。
現在、アクリル塗料は塗り替えの際にはほとんど使われていません。

一回の塗り直しで見ると単価が安いのが特徴です。
しかし、耐久性が低い。

大体5年に1度塗り替える必要があります。
塗り替えの足場を建てる必要があるので、結果的に費用が高くなります。

ウレタン塗料

耐用年数 6~10年
単価(平米単価相場) 1,700~2,200円

ウレタン塗料は、外壁や屋根にはほとんど使われなくなりました。
アクリル塗料と同じです。

現在はウレタン塗料より耐久性が高いシリコン塗料の価格が下がってきています。
そのため、業界的にはシリコン塗料が需要が上昇中です。

ウレタン塗料の一番のメリットは、樹脂が柔らかいことです。
ほかの塗料と比べて塗膜が柔らかいため密着性に優れています。
時間とともに変形する木材などにも対応ができるという利点があります。

また、ベランダやアパート、マンションなどの屋上で使われるウレタン防水は、外壁や屋根に使われる塗料とは違い、今も主流で使われています。

シリコン塗料

耐用年数 12~15年
単価(平米単価相場) 2,300~3,000円

シリコン塗料は、塗料の中でもスタンダードな普及品と言われている定番の塗料です。
塗料の主成分の合成樹脂がシリコン系である塗料を指します。

数多くの塗料の中でも普及品の塗料。
塗料の指定をしなければシリコン塗料で見積もりをされるほど定番です。

値段も2,300~3,000円で耐久年数も12~15年とバランスがよい。

塗料の新製品は、塗料メーカーの実験では良い結果が出てても、実際に使うと違う結果になることもあります。

シリコン塗料は、発売から十数年経っています。
耐久性などの実績もあることが業者にシリコン塗料を支持する方が多い理由です。

ラジカル制御型塗料

耐用年数 12~15年
単価(平米単価相場) 2,500~3,000円

ラジカル塗料とは、「ラジカル制御型の酸化チタンを使用した塗料」のことです。

「ラジカル制御」は塗料の耐候性を向上させる技術です。
特に塗料にこだわっている塗装店やリフォーム店で取り扱われています。

ラジカル制御型塗料には、外壁の劣化現象の1つ「チョーキング現象」に効果があります。

塗膜の劣化は、酸化チタンから発生してしまったラジカルによって、樹脂がダメージを受けることで進行します。
その結果、外壁を触って白く粉が付着する「チョーキング現象」が発生します。

ラジカル制御型塗料は、ラジカルの発生を抑制できます。
そのため、チョーキング現象に対して高い効果があります。

ラジカル制御型塗料は販売から日が浅いので、製品数及び実績が少なくなっています。

各種塗料メーカーが「ラジカル制御型酸化チタン」を使用しているとカタログに明記している塗料は数える程しかありません。

また、一番早く発売された「ラジカル制御型塗料」でも2012年の販売開始ですので、実績としては5年経過している程度です。

実際の建物で10年以上経過した実績がないのが注意する点です。
しかし、塗料メーカーも力を入れています。

ラジカル制御型塗料は、今後最も注目される塗料でしょう。

フッ素塗料

耐用年数 15~20年
単価(平米単価相場) 3,800~4,800円

フッ素塗料は、塗料の主成分の樹脂がフッ素系の塗料です。
フッ素樹脂の技術を使って開発された塗料であり、寿命の長い塗膜を作る事が出来ます。

「フッ素」という言葉を聞くと、まず思い浮かぶのが「フライパン」ではないでしょうか。

フッ素塗料の利点は、焦げ付かないフライパンと同じです。

非粘着性(汚れを弾きやすい)
耐薬品性(酸性雨に強い)
低摩擦性(汚れが滑り落ちやすい)
耐候性(紫外線に強い)

フッ素塗料は、高価ですが耐久性も高く15~20年と言われています。
航空宇宙産業機器にも使われている程、とても信頼性がある優秀な塗料なんですよ。

他には、外壁のメンテナンスが難しいビルなどの大きな建物にしようされています。
するとメンテナンスに手間がかかりにくい大きなメリットが生まれます。

まだまだ住宅等の小さな建物にはなかなか採用されにくい塗料ではあります。
しかし、耐久性の高さから小さな建物にも費用対効果が充分あります。

無機塗料

耐用年数 20~25年
単価(平米単価相場) 4,500~5,500円

無機塗料というのは、無機物を配合して作られた塗料のことを指します。

物質には2つの種類があります。
生物に由来する物質(有機物)
生物に由来しない物質(無機物)

無機塗料でいう無機物というのは鉱物などの自然物(炭素をふくまないもの)を指します。
このことにより高い耐候性・低汚染性を備えることができます。
紫外線等の強力な成分が強く当たっても劣化する事がありません。

身近な無機物としてガラスが挙げられます。
その窓ガラスは、強い紫外線に長時間当たっても劣化しないですよね。
その性質が無機塗料にも備わることになります。

一般的なアクリル塗料やシリコン塗料は有機塗料と呼ばれています。
対して無機塗料は無機物を含んで作られています。
このことは、従来の有機塗料とは全く違う効果を発揮することに繋がるんですよ。

しかし、無機物だけでは塗料とする事は出来ません。
実際は有機物も配合されています。
この「有機物が配合されている」事により、劣化が発生します。

それでも、無機物を使っているので長い寿命を発揮する事が出来るという事となります。
無機物と有機物を配合した、塗料としては最高級の素晴らしい効果を発揮する塗料です。

無機塗料は20年ほどの寿命を発揮すると言われています。
しかし、実はその事実を経年で証明されていません。

発売されて20年経っていない材料ですので、本当に20年放置して持つ事が可能なのかの確実な検証がされていないんですよ。

無機物の配合により間違いなく寿命が長いのは事実です。

まとめ

各塗料にはそれぞれ、価格や性質に利点と欠点があります。

正解がないために、塗料の選択が難しくなってしまいますよね。

塗料を選択する基準として
予算
塗装範囲
耐候性などの性質
耐用年数

業者の見積もりの際には塗料についての知識がないと良し悪しの判断が難しくなります。
各塗料の性質や耐久年数・単価を理解することをオススメします。

ただし、どんなに良い塗料を使っても、業者が手抜きすれば意味がありません。
施工の際に手抜きなどで不具合があると、塗料が持つ性能を発揮できません。

そのため、業者選びが一番重要です。