浴室

お風呂が寒い-保温できる浴槽へのリフォーム種類とメーカー選び-

毎日入るお風呂は、一日の疲れを落とすための大事なひとときですよね。

より快適な入浴するためにリフォームを考えている方が多いんじゃないでしょうか。

特に寒い季節では「お湯が冷めにくい保温性の高い浴槽」へのリフォームです。

保温機能が高いということは風呂のお湯が長時間暖かいことです。

浴槽の保温効果はどれくらい?
リフォームの費用対効果は?

 

お湯が冷めにくい保温の高い浴槽とは

保温性が高い製品といえば、サーモスや魔法瓶を思い浮かべる方が多いでしょうか。
この2製品は水筒やカップに使われています。

保温効果の高い浴槽の構造は、断熱材を使って同じような構造にしています。

すると浴槽の中に入っているお湯の温度変化が少なくなるんですよ。

浴槽の素材による保温力

FRP

FRPは繊維強化プラスチックのことを言います。
ポリエステル樹脂をガラス繊維を混ぜて強化された素材です。
軽量かつ衝撃に強く水にも強い性質があります。

あまり聞き慣れない素材かもしれませんが、標準的な浴槽のほとんどがFRPで作られているんですよ。

FRPの特徴

価格が安い
種類が豊富
補修をしやすい

FRPの浴槽を採用する最大のメリットは価格の安さにあります。
安いものでは1万円台という製品もありますよ。

価格は1万円台~30万円台までありますが、標準品は10万円前後になっています。

加工性にすぐれるため、身体にフィットするように設計されたものなどもあります。
他にもジェットバスやバブルバスなど特殊な浴槽にも使用される素材です。

FRPはバリエーションが多く、私たち購入者に対して選択肢が多くあります。
各社の製品のラインナップがとても多い素材です。

各製品をチェックすることで、気に入ったデザインやサイズの商品を見つけることができますよ。

FRPは補修しやすい素材

クラック(ひび)や穴が発生しても補修することができます。

浴槽は毎日使用するものです。
徐々にですが、劣化は必ず進行していきます。

劣化しても補修することで新品同様の状態に戻すことができます。

FRPのデメリット

FRPのデメリットは汚れが目立ちやすいということです。

人工大理石や人造大理石と比べると、汚れが付着しやすくなっています。
塗装が時間とともにどうしても色あせてしまいます。

また、洗剤の種類やスポンジ、ブラシの固さによって表面に細かな傷が入ります。
これは素材自体の柔らかさと、コーティングの影響があります。

細かな傷が付いた場合、そこに着色汚れや菌が入りこみます。
すると、そこが色がくすんでいくように見えてしまいます。

色のくすみや細かい傷が多くなってきた場合には対策があります。
それは表面のコーティングを塗り直すことです。

表面のコーティングを再度行うことで新品同様の状態に戻すことができます。

ただし、コーティングも時間とともに劣化します。
綺麗な状態を保つには、定期的に再コーティングする必要があります。

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FRPの浴槽の費用の目安

FRP製の浴槽は、多数のメーカーから販売されています。
大手のメーカーであれば、LIXIL・クボタ・ダイワ化成など。

価格が安いのがFRPの特徴ですので、お手軽な価格から提供されています。

安いものであれば50,000円~
高いものであれば~200,000円

値段の上下は、付加価値やサイズによって差が出ています。
付加価値は、デザイン性や傷がつきにくい表面加工などです。
FRPであっても高機能な製品であれば、比較的高額になります。

FRPの浴槽は製品数が多くなりますので、交換リフォームする際にはカタログを取り寄せて熟考する必要があるでしょう。

人工大理石

人工大理石は、正確には人工的に作られた大理石風の素材です。
人工的に作られた大理石だと誤解されている方も多いんじゃないでしょうか。

FRP浴槽を改良発展させたものです。
透明感があることが人気が高い要因ですね。

人工大理石の主成分はアクリル樹脂やポリエステル樹脂です。
これは浴槽だけでなく、キッチンや洗面台にも採用されています。
大理石の粉や成分が含まれているわけではありません。

人工大理石の特徴

いずれの素材にも共通しているのは次の2点です。

加工・着色性に優れている
耐水性や耐汚性に優れている

FRPと同様に加工性が良いため、浴槽も形のバリエーションが豊富です。

さらに着色性の良さがあります。
様々な色使いが可能で定番のものから個性的なものまでラインナップされています。

また価格も安価なものからハイグレードなものまで用意されています。

素材とともに特徴もFRPに似ていますね。

手入れのしやすさも人工大理石の特徴のひとつです。

表面がとても滑らかであるため、汚れが付着しにくくなっています。

人工ですが天然大理石のような温かみもあります。
ただし、高級感は天然大理石ほど高くありません。

柔らかいため傷つきやすいという欠点もあります。

ステンレス

ステンレス製の浴槽は、FRPや人工大理石のものと同じく様々なメーカーが取り扱っています。

ステンレス浴槽の特徴

耐久性の高さ
衛生的である
保温性が高い

ステンレスは金属です。
そのため、簡単にヒビが入ったり、穴が空いたりすることがありません。

名前の通りサビも発生しにくく、変色も起こりません。
長く使い続けることができることが大きな特徴でしょう。

もう一つの特徴としてステンレスには、汚れや臭いなどがつきにくいという性質があります。

浴槽は、使用するたびに人の垢や水垢などが付着します。
それが臭いを発生させる原因となります。
風呂では身体を綺麗にするというのが一番の目的ですから、汚れにくく衛生的というのは非常に大きな強みとなります。

ステンレスは、保温性に優れているためお風呂が冷めにくくなっています。
熱伝導率が低いため、浴槽の外側が外気に晒されて冷たくなっても、お風呂のお湯が冷めにくいという利点があります。

一見すると無機質で冷たい感じがあります。
しかし、その印象とは逆に保温性に優れているというのがステンレス浴槽のメリットです。

一方で、汚れが付きにくいことがデメリットになっていることがあります。

それは塗装されたステンレス浴槽です。
汚れが付きにくい性質があるステンレスには、塗装の乗りが悪くなってしまいます。

時間の経過とともに塗装が剥がれやすくなります。

ステンレスは塗装がとても難しい金属です。
特に湿度が高く、温度変化もある浴室内では、ステンレスは大丈夫でも塗装がダメになってしまいます。

ホーロー

ホーローとは、鋳物や鋼板の表面に二酸化ケイ素を主成分としたガラス質の釉薬を高温で焼き付けた素材です。

ホーローで有名なメーカーとしてタカラスタンダードが挙げられます。

ホーローの特徴

耐久性に優れている
美観に優れている
保温性に優れている
カビが生えにくい

ホーローの基礎となる素材は金属であるため、耐久性に優れています。
また、表面を覆うガラスも、プラスチックと比べると耐久性が高い素材ですよね。

そして、表面を覆うガラス質が光沢をがあります。
それが高級感を醸し出し美しいのが特徴です。

金属は熱伝導率に優れているため、保温性が高いという利点を持ちます。
保温性の高さから身体の芯から温まり、湯が冷めにくくなります。

また、湯温が下がりにくいため、追い焚きの利用率が下がって電気代を節約できます。

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ホーローの表面にコーティングされているガラス質が硬質です。
そのため、傷が付きにくくなっています。

傷がつきにくいということは、雑菌が残りにくいです。
ホーローは他の素材と比べてカビが生えにくいというメリットがあります。

ただし、経年劣化でガラス質が剥がれてしまうと、そこからサビが発生します。
補修は簡単にできません。
サビが発生してしまうと、買い替えしか選択肢がなくなります。

さらにホーロー浴槽は値段も高く、重さもあるため工事費も高くなるというデメリットがあります。

木製

浴槽のリフォームで悩むかたも多いかと思います。
その中で、一度はあこがれる「自宅に居ながら高級旅館のお風呂」

木製のお風呂は疲れ体を癒してくれる空間を作り出します。
それにどこか懐かしい和の浴室となります。

耐久性が高いため、きちんと手入れを行えば、長く使えるというメリットもあります。

ただし、毎日の手入れが必要になってきます。
毎日の手入れを少しでもさぼると、あっという間にカビだらけになってしまいます。

また、水垢が残っていると、その場所が変色することもあります。

毎日の風呂掃除の時間がとれない方には、木製の浴槽はおすすめできません。

新しい製品では、木材にカビや汚れが発生しにくくなるように特殊な加工が施された浴槽があります。

このようにカビが発生しにくい浴槽も売られていますが、それでも毎日のお手入れは必須です。

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浴槽の素材まとめ

ここまで説明してきた浴室リフォームの浴槽の素材は、あくまで一例です。

浴槽をリフォームするのであれば、一般的に用いられているFRPが一番の候補となります。やはり価格が安くバリエーションが多いというのは大きな強みです。

次に取り上げている人工大理石も浴槽としては一般的な素材です。
人工大理石は素材が持つ重厚感から高級感があります。
カラーや柄のバリエーションも多く、メンテナンスもしやすいことが強みとなります。

そしてステンレスはメタリックな無機質さが好みの分かれるところです。
素材としては非常に強く、定期的な清掃を行えばほとんど劣化が見られない素材です。
また熱伝導性が低いことから、一度暖まるとお湯が冷めにくく、保温性も高いことから長時間保温したい場合にはおすすめできます。

ホーローの浴槽は、値段の高さと強い衝撃に弱い性質があります。
素材自体の持っている特性は、浴槽に向いている素材となっています。
この辺りは好みが強く出るところで、メーカーのホームページやショールームで入念にチェックする必要があります。

最後に木製の浴槽です。
旅館の温泉などで用いられているイメージが強い素材です。
一度は誰もが憧れるんじゃないでしょうか。
しかし、メンテナンスの難しさがネックになってきます。
一般的な家庭ではおすすめできませんが、あの高級感を味わうと一度は試してみたい素材なんじゃないでしょうか。

このように浴槽には様々な素材があります。
各素材とも一長一短で、私たち消費者の好みが反映されるところとなっています。

そのため、いざリフォームをすると考えたときには「比較検討」することが重要となります。
インターネットでは簡単に無料で見積もりの比較検討が可能なサービスがあります。
ぜひご活用し理想のリフォームへとつなげてください。

 

 

保温浴槽を採用しているメーカー

TOTO

魔法びん浴槽

浴槽断熱材と高断熱の風呂ふたによる断熱構造を採用しています。
二種類の断熱によって抜群の保温力を発揮。

魔法びん浴槽は2種類に分かれており、グレードによって保温効果に差があります。

HGシリーズ

浴槽全体を覆う断熱材と風呂ふたにより高断熱を実現。

温度低下は4時間で2.5度以内。

プレミアムHGシリーズ

浴槽全体を覆う断熱材と風呂ふたに加え、さらに浴槽周りの防水パンに高断熱素材を使用。

温度低下は5時間で2.5度以内。

パナソニック

保温浴槽

こちらも浴槽断熱材と高断熱の風呂ふたによる断熱構造を採用しています。
二種類の断熱によって抜群の保温力を発揮。

保温効果のある浴槽が向いている家庭とは

保温効果があると省エネ効果があります。
しかし、設置費用が発生するため、家庭環境によっては損になる場合があります。

保温効果の高い浴槽で得する場合

利用人数が多いため、お湯を張っている時間が長い
入浴する間隔が長いため、入る時間が空く

保温効果の高い浴槽で損する場合

お湯を貼っている時間が短い(2時間以内程度)
お湯を溜める量が少ない

浴槽をリフォームする場合には環境を考慮する

保温効果の高い浴槽へリフォームを検討している方は、お湯の温度が下がりにくいを求めているでしょう。

しかし、先の項目で解説したように風呂を少人数・短時間で使う場合には、お湯の温度が下がりにくくなります。
そのような家庭環境であれば、保温効果の高い浴槽の利点は感じづらいでしょう。

各メーカーそれぞれ特徴のある浴槽がラインナップされています。
浴槽のリフォームだけではなく、浴室全体のリフォームと同時に行うことが多くなると思います。

リフォームには予算を設定しているでしょう。
保温効果の高い浴槽はオプション品となっている場合があります。

より効果の高い浴槽を選ぶとなると、その分費用がかさみます。

全体の予算を見ながら、ベストの選択の組み合わせを考えると楽しいですよ。