続けてトイレ・お風呂のバリアフリーの記事を書いてきました。
それとあわせてリフォームしておきたい場所として、洗面所と脱衣所があります。
洗面所は脱衣所とセットになっていることが多くなっています。
使用頻度ではお風呂より多くなることでしょう。
洗顔・歯磨きお風呂の時の脱衣など、複数の動作を行う場所になります。
そのため、様々な状況を予想してリフォームする必要があります。
今回は、洗面所・脱衣所のバリアフリーについて解説をしていきます。
Contents
洗面・脱衣所のバリアフリーの必要性
洗面・脱衣所では、狭い空間の中で様々な動作を行わなければいけません。
・扉の開閉
・着衣・脱衣
・身体の清拭
・洗顔
・水栓の操作
以上の動作以外にも、細かい動作がたくさんあるでしょう。
それに加えて、高齢者の身体能力の低下がついてきます。
バランス感覚の衰えによって、衣服の着脱が困難になったり…。
ズボンの着脱では片足立ちになりますが、困難な動作になるでしょう。
他にも洗面の際に一定時間の立ち姿勢の保持が困難になってきます。
顔を洗う際には前かがみになるので、困難であるのが容易に想像できます。
また、脱衣による温度変化に対応できない可能性があります。
こちらでは、ヒートショックの危険性になりますね。
さらに、水を扱うために床が濡れてしまいます。
そうなると滑りやすくなります。
このように、様々な危険性が多い場所といえます。
http://reform-answer.info/2018/03/06/bathroom/
洗面・脱衣所の場所
洗面・脱衣所の場所は浴室と寝室の間にあることが望ましいです。
場所に関してはマンションや既存住宅では難しい項目になりますが、状況によっては大規模なリフォームで対応する必要があるでしょう。
車いすも通れるドア
ドアに関しては、トイレや浴室のバリアフリーと同じです。
ドアの入口の幅が狭いと、介助が必要になったときや車いすでは不便を感じることが多くなります。
ドアは引き戸を選択します。
引き戸でも三枚引き戸・その他ローリングドア・折れ戸などの選択肢があります。
入口の幅を広くするだけでなく、デッドスペースをなくす商品もあります。
ドアの選択肢は多くあるので、業者や設備メーカーの専門家に聞いて確認をしましょう。
洗面・脱衣所の広さ
洗面・脱衣所は寝室から浴室をつないでいる場合が多くなっています。
そのため、スペースは広くとりましょう。
具体的な広さとして、洗面台などの設備を除いた状態で、1500~1820mm角のスペースが望ましいです。
そのため、最低でも1820×1820mm程度の広さは確保するようにしましょう。
狭いと衣服の着脱などが困難になります。
段差をなくして転倒予防
車椅子を使用しているならもちろんですが、歩行が可能であっても、つまずいて転倒する危険があります。
そのため、段差の解消が必要です。
段差がなくなると足元の安心感が増します。
日々の生活にも余裕を持たせてくれるでしょう。
ただし、段差をなくすことには注意点があります。
それは徹底して段差をなくすことです。
全ての箇所をフルフラットフロアのように徹底的にしないと、かえって危険になります。
一部が残ってしまっていると、油断からつまづいてしまう危険性が非常に高くなりますよね。
特に高齢者であった場合、数mmの段差でもつまづいてしまうことがあります。

洗面台の選び方
洗面台の洗濯は、車いす利用や介助が必要になったときの動線を考えて決めるようにします。
洗面台の設置は、一度設置すると移動が難しくなります。
それは洗面台が水栓と一体化しているためです。
水栓の配置や向きを替えるのは床下または壁の中の配管をさわる必要があるからです。
洗面台の足元はすっきりした製品を
洗面台は足元に足が入る、製品を選びましょう。
車いすや椅子に座っていても使える洗面台が販売されています。
洗面器の足元を開放しておくことで、足下のスペースを有効に利用でき動作がスムーズになります。
通常の洗面台は、立って使うように設計されています。
足元や腰が不自由な高齢者だと利用が難しくなりますよね。
顔を洗う際に行う前かがみの動作は維持するのは大変です。
洗面台は様々な寸法やそれぞれの商品の特徴があります。
特に洗面台の高さには気を使ってください。
洗面を座って行う場合には750mm程度を目安にしてください。
車いすや椅子の大きさによって選ぶと使い勝手がよくなります。
このように洗面台は、状況にあった商品を選んぶようにしてください。
手すりの設置
手すりの設置はバリアフリーリフォームの基本ですね。
洗面・脱衣所では多くの動作を行うため、動作にあった手すりを設置してください。
出入り口から洗面所、浴室内まで連続した手すりをとりつける改修工事を行います。
そのことで、より安全性を高めることができます。
安全で使い勝手のよい洗面所にするため、身体の状態にあった洗面化粧台・洗面カウンターを選びましょう。

床は転倒にしにくく滑りにくい素材を
洗面・脱衣所は水に濡れやすい環境です。
洗面台での水利用、また浴室で濡れた身体を拭いたりもします。
床は水に濡れると滑りやすくなるため、滑りにくい素材にすることが必要です。
また、清潔感があり、拭き掃除など掃除のしやすい素材選びをします。
車いすを使用する場合はタイヤ痕が残る場合があります。
そのため、色目にも気を配って下さい。
タイヤ痕があるかないかで、清潔感の印象が大きく変わりますよ。
バスマットなどの足ふきマットは、足が引っかかりやすくなります。
転倒につながる場合がありますので、選ぶ際には注意してください。

洗面所にもヒートショック対策で暖房設置
洗面・脱衣所は、冬季では寒くなります。
ヒートショック対策のために暖房を設置してください。
リビングなどの部屋とは離れている場合が多く、冬季は結構な寒さになります。
高齢者になってくると、着替えなど一連の動作に時間がかかります。
そのため、洗面・脱衣所にいる時間が自然と長くなります。
身体が冷えた状態で浴室へ入ると、急激な温度変化で身体に大きな負担がかかります。
浴室に暖房が付いていることはよくあるのですが、身体を暖めたとしても、洗面・脱衣所が寒くては意味がありません。
リフォームの際には暖房機を付けたり、暖房機を置くためのコンセントを設けてるようにしてください。
コンセントは掃除のときにも便利ですよ。