仕事を定年退職し、家で過ごす時間が長くなっていきます。
そして運動機会が減ってくると、加齢による身体能力低下をより感じやすくなります。
すると、日常生活で感じる違和感が「バリア」(不自由、障壁)となります。
このバリアを取り除くためにバリアフリーリフォームが必要となってきます。
今回の記事では、加齢に伴う体の変化とリフォームの例を解説していきます。
バリアフリーリフォームの3つのポイント
加齢に伴う不自由さに対応することがバリアフリーリフォームです。
さらにリフォームするとなると「安心・安全・快適」が欲しいですよね。
そのため、まず初めに加齢に伴って変化する身体的な特徴を意識しましょう。
将来の姿を想像することによって、どのようにバリアフリーリフォームしていくのかイメージしやすくなります。
加齢で起こる身体的な老化現象例
体の機能
足腰が弱ってくる
骨格、筋力が弱くなる
転びやすく、骨折しやすい
目・聴覚の機能
焦点が合わせにくくなる
薄暗い場所でモノが見えにくくなる
耳が遠くなる
上記に挙げた様々な身体的な変化を考慮して、リフォームの計画を立てましょう。
段差の解消
段差が多い玄関や滑りやすく不安定なお風呂などが中心になります。
また部屋と部屋のほんの少しの段差にも注意が必要です。
加齢による身体能力の低下は、ほんの少しの段差でもつまずいてしまうことがあります。
手すりの設置
足や腰に痛みが出てくると手すりが必要になります。
設置する際には使いやすい高さを考慮し、なるべく切れ目を作らないようにしましょう。
階段・玄関・お風呂・トイレなど段差や複雑な動作が必要となり、踏ん張りが必要な箇所を中心に設置します。
床素材
居室、廊下の床は、乾燥時に滑りにくい素材にしましょう。
実際に靴下を履きながら摺り足で歩くようにしてみると、滑りやすい床かどうか判別しやすくなります。
また水を使う場所は特に注意が必要です。
お風呂・洗面所・キッチン・脱衣所は濡れているときに滑りにくい素材を使います。
バリアフリー住宅とは障害物の無い家という意味で、車椅子や松葉杖でも自由に動きまわることができ、年をとっても安心して暮らすことができる家です。
バリアフリーにするためのリフォームには上記のように、段差の解消・手すりの取り付け・床素材を変えるものがあります。
この他にも、廊下を広げる・浴室・トイレ・洗面所などの水まわり交換や移動などの大規模リフォームがあります。
費用も数千円から1,000万円以上とリフォームの度合いによって大きく変動します。
そのため、リフォームの見積もり依頼をする際には、状況や予算に合わせてじっくりと計画を立てましょう。
インターネットからのリフォームの相談・見積もりは手軽なのが最大のメリットです。
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バリアフリーリフォームはいつ始めればいい?
バリアフリーリフォームで一番手軽なものとして手すりの設置があります。
しかし、その手すりは本当に必要でしょうか。
ただ闇雲に設置すると、いざ必要になったときには邪魔になることがあります。
たとえば足を悪くした場合、左足か右足かどうかで必要な手すりが決まります。
右足側を悪くした場合には右側に手すりが必要となります。
そのためあまりに早く手すりを設置すると無駄になることがあります。
では、これらの工事はいつ行えばいいのでしょうか。
リフォームを早くし過ぎると無駄になってしまうし、ギリギリになっても慌ててしまいます。
一歩早めの準備をしておくことが大切。
かといっても、全てを予測してリフォームをすることは難しいものですよね。
個人住宅のバリアフリーは公共スペースとは違います。
このリフォームさえしておけばいいというものではありません。
個々の家庭事情や身体的事情によってリフォーム内容が異なってきます。
次項から築何年からリフォームをし始める時期か解説をしていきます。
築20~30年
建築から20年が経過すると建物自体の構造から見直す、大規模なリフォーム期です。


建築した私たちも高齢にさしかかるため、バリアフリー化も含めたリフォームの見直し時期にあたります。
身体的な衰えが感じるようになるため、老後を快適かつ安全に暮らし続けるように工夫する必要がでてきます。
リフォームする必要になれば、リフォーム業者と入念な打ち合わせを行いましょう。
築30年以降
建築から30年経過すると住宅設備のほとんどは交換する時期を過ぎています。
結婚して子供が独立している場合もあります。
これからの余生を快適に過ごすためにも築30年というのは、大きな転機です。
この時期に合わせて大規模なリフォームを行いましょう。
身体的な衰えが目立つ時期になりますので、状況に合わせた設備を検討します。