玄関は家の中と外をつなぐ大切な場所です。
日本の家屋において、玄関には段差のあるのが当たり前となっています。
その段差は、普通に歩いて生活している人にとっては気にすることのないものです。
しかし、身体状況により歩行が困難で杖や車椅子を利用している方にとっては、それが大きなバリア(障壁)となり得ます。
すると、自らの意思で玄関から外に出るのが難しくなってきます。
この状態が継続すると、外に出るのが億劫になってしまい、引きこもりがちになります。
引きこもりの状態が継続すると、身体を動かすこと機会が減ってきます。
そのため、徐々に身体の機能まで衰えてしまう危険性もあります。
足腰の不自由な方にとって、玄関のバリアフリーにすることによって活動の範囲を広げることができます。
今回の記事では、玄関のバリアフリーリフォームの各箇所のポイントを紹介しています。
玄関ドア
扉は引き戸が望ましいでしょう。
開き戸の場合には、なるべく親子ドアである方が広くなります。
有効幅は75cm以上で可能であれば、80cm以上ある方が使い勝手が良くなります。
ドアクローザーは、挟まり事故を防ぐためにも、ゆっくり締まるように調節しましょう。
ドアの取っ手は、握りやすさを重視して大型なものにしましょう。
間口の広さ
広くすると段差への対処や収納箇所が増し、便利になります。
しかし、あまりに広すぎると移動距離が長くなり逆に不便を感じることも。
車いすを利用する場合には、乗り入れるスペースを考慮して幅180cm×奥行120cm以上あることが望ましくなります。
車いすを乗り入れる場合には、スロープや段差解消機を設置する必要があるため、より広いスペースが必要となります。
上がり框(かまち)
日本の住宅において、玄関で靴を脱ぐという習慣から、段差がない玄関という住宅はほとんどありません。
国土交通省が定める「バリアフリー住宅」の基準では、戸建ての場合には上がり框の高さは18cm以下、マンションなどの集合住宅では集合住宅では11cm以下にしましょう。
高さを18cm以下にできない場合には、代替案として式台を設けましょう。
式台は、玄関床から一段段差をプラスすることで、高さを分割することができます。
式台の幅は30cm以上あれば、足を乗せやすくつまづき事故が発生しにくくなります。
車いすを利用している場合には、段差があると走行することができません。
玄関にスロープを付けて段差を解消します。
段差を解消できない場合には、段差解消機を設置します。

手すり
靴の履き替えをする位置に縦型の手すりを設置します。
手すりの太さは、握りやすさを考慮した太さにします。
一般的には、径2.8~3.5cm程度が握りやすいといわれています。
手すりの高さ・向きは使う人の身体状況に合わせて調整しましょう。
また、低めの下駄箱も手すりの代わりとなって身体を支えることができます。
ベンチの設置
上がり框に接して高さ40cmくらいのベンチを設置します。
ベンチがあると、そこに座りながら靴の履き替えができます。
かかんで靴を履き替えるのと比較すると、腰への負担が軽減できるためベンチは有効な設備となります。
ベンチは折り畳み式や壁に埋め込み出来るものなどあります。
常設していると足を引っかける場合もありますので、コンパクトに収納することができるタイプがおすすめとなります。
下駄箱などの収納
杖や車いすを収納するためにも、収納するための場所を設置しましょう。
下駄箱を含めた収納は床からの高さを75cm程度にすると、手を付いて身体を支えることができます。
設置する際にはしっかりと固定し、動かないようにしましょう。
照明
玄関は明るくし、出来るだけ影が生じないようにしましょう。
照明の位置は上がり框の真上あたりに全体照明が設置するようにします。
玄関扉外側に照明を設置することで鍵穴を照らすことができます。
その他にも上がり框にも足元灯、人感スイッチ式の照明なども設置するとスイッチを入れる手間が省けるため便利ですよ。
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