日々生活する家の中の状況を整えることが、肉体的・精神的症状の軽減につながります。
その自己治癒力を高める意味から、個人個人の生活の方法に配慮した環境づくりが望まれています。
家族と顔を合わせたり、くつろげる場所としてリビング・ダイニング(居間・食堂)の役割は大きくなっています。
Contents
リビング(居間)の役割
リビングは、日常の生活の仕方や時間がまちまちな家族同士が顔を合わせ、食事や会話でコミュニケーションを取ることができる場所です。
そのため、出入りしやすく安全で快適に過ごせるようなリフォームを心がけましょう。
すべての空間をつなぐ役割
リビングは家の中で中心的な役割をもった部屋です。
たとえ目的がなくても、家族が自然と集まってくる部屋となるのが理想です。
理想を実現するためには、居心地のよい環境づくりがポイントとなっています。
コミュニケーションの場としての役割
- 家族の気配が感じられる間取りにする
- 玄関を通らず庭先から隣人や友達が気軽に遊びに来られる工夫
- テラスも団らんのスペースに組み入れる工夫
戸外につながる役割
- 日照・採光が十分にとれるように南・東面に窓を設置しリビングを明るくする
- 庭面に窓を設置し、開放感を持たせる
- 通風を良くするため、二面の窓を設置する
- 日常の出入りにも使えるように庭面の窓を工夫する
ヒートショック対策として住宅の断熱性能を高める
ヒートショックというと浴室やトイレで起こりやすい事故のイメージがあります。
しかし、これはどこでも起こる危険性があるのです。
ヒートショックの原因は、温度差です。
今回の記事ではリビング・ダイニングを取り扱っています。
リビング・ダイニングは環境に気を遣って暖かくなっていることが多くありますが、他の部屋ではそれほど暖かくないということがあります。
ヒートショックを起こさないためにも、住宅全体の断熱性や暖房器具の工夫が必要となります。
断熱性を高めるには、まずは窓の断熱性を高めます。
住宅設備の中では、窓が一番断熱性が低いため、ここをリフォームするだけでも大きく改善されるでしょう。
また、窓は比較的リフォームしやすい箇所であるため、取り掛かりの場所としても最適です。
住宅全体の温度差が少なくなることによって、移動もしやすくなりますし危険性が低くなりますので、ぜひ断熱性を高めるリフォームをおすすめします。
ダイニングでは孤独にならない工夫を
高齢者になると活動量が減少してきます。
食事時にも同じことがいえ、テレビに向き合って食事する場合が多くあるでしょう。
1人で食事をする場合であれば、例えば、庭に向かってテーブルを配置し庭木やそよ風の流れを見ながら食事するのも良いのではないでしょうか。
また、ベッドから起きてそのまま食事するのではなく、椅子に座って食事を食べる工夫をしましょう。
食事で1日の体内リズムを作る
高齢者は活動量が減るため、一日の生活で朝・昼・晩と体内リズムを作ることが大切です。
日光と生体リズムの関係から、3食の食環境を整えます。
特に朝食は重要となります。
朝日の太陽光を浴びることによって、一日の体内リズムが調整されます。
寝室からダイニングにかけて太陽光を取り込める窓を作るようにしましょう。
ダイニングでテーブルの置く位置は、風通しが良い南・東側に配置することが望ましいでしょう。
また、夜間は適正な照度が得られる足元灯などを設置し、安全に配慮しましょう。
椅子とテーブルの選び方
椅子の高さは身長に合わせて選びましょう。
また、椅子の重量も軽いものの方が動かしやすく便利です。
車いすを使用している際には、テーブルの高さにも気を付けます。
車いすのアームレストの高さ・フットレストの奥行を考慮して検討します。
また、テーブルの剛性にも気を付けてください。
椅子から立つ際にテーブルに手を置き身体を支えることができると、不自由さを感じにくくなります。
アームレスト(肘部分)がテーブルの下に入るかどうか
フットレスト(足置き)がぶつからないテーブル
掃除しやすい機能性重視の床材を選ぶ
ダイニングは食事を行いますので、食べこぼしや飲み物が零れることによって汚れやすくなっています。
掃除しやすい床材
木質系およびコルク系床材、長尺塩ビシートなど
リビング・ダイニングのリフォームまとめ
リビング・ダイニングは一日の中で最も長く生活する場所になります。
そこが安全で快適に過ごせるかで、今後の生活が大きく変わってきます。
注意しなければいけない点としては以下があります。
- 動きやすい楽な配置
- 開閉のしやすい窓・建具
- 使いやすい収納・什器
- 健康に配慮した内装材料
- ヒートショック対策の断熱性能
- 防犯・災害への備え
- 移動・歩行を妨げない室内のレイアウト
- 快適な空調設備
- 動作をサポートする用具
- 操作しやすい安全な電気製品
項目が多く確認作業が面倒になりますが、ひとつずつ確実にチェックしていけば、室内は快適に過ごせるように改善されています。